ミュージアムのひととき

第19回 創立者の物語 チャールズ・リード・ビショップの人生

A formal painted portrait of an older man with gray hair and a full white beard, dressed in a black suit and seated against a dark background.
チャールズ・リード・ビショップ氏

チャールズ・リード・ビショップ

今回の「ミュージアムのひととき」は創立者の物語と題し、ビショプミュージアムの創立者、チャールズ・リード・ビショップ氏の人生を紐解きます。ハワイの地域社会の発展に貢献し、多くの人々から尊敬を集めた彼の歩みをぜひお楽しみください。
Black-and-white photo of a two-story stone bank building on a street corner, with arched windows and a horse-drawn carriage parked outside.

ビショップ&カンパニー
(現在のファースト・ハワイアン・バンク)
1877年頃 Bishop Museum Archives

ビジネスマン、ハワイ王国政府の官僚として

ビショップ氏は1822年、ニューヨーク州グレンフォールズで生まれ育ち、1846年にオレゴンに向かう航海の途中、補給や荷下ろしの為に停泊したハワイで暮らすことを決意しました。到着後すぐに財務監査の仕事を得て、後に米国領事館での職にも就きました。ビジネスマンとしての才覚を発揮した彼は、1853年に Aldrich and Bishop General Store(アルドリッチとビショップの雑貨店) を設立し、1858年にはハワイ初の銀行 Bishop & Company(ビショップ&カンパニー)をオープンしました。さらにハワイ政府の官僚としても活躍し、関税徴収官、外務大臣など数々の要職を歴任したほか、枢密院や貴族院の成員でもありました。

バニース・パウアヒ王女との出会い

1847年、ハワイ王族の子どもたちが通う学校に訪れたビショップ氏は、カメハメハ大王の曾孫であるバニース・パウアヒ・パーキーと出会いました。3年後の1850年、二人は結婚し、34年間にわたり幸せな結婚生活を送りました。しかし1884年、妻バニース・パウアヒ・ビショップは乳がんのため52歳で亡くなりました。彼女の遺言に従い、ビショップ氏は1887年にカメハメハスクールを建てました。さらに学校創立から2年後の1889年、亡き妻やその親族が残した王家の貴重な品々、そしてハワイや太平洋地域の文化財を守るために、バニース・パウアヒ・ビショップミュージアムを創立しました。現在のビショップミュージアムは、ハワイおよび太平洋の自然科学研究の中心として知られており、ビショップ氏の自然科学への深い関心が色濃く反映されています。

A sepia-toned daguerreotype portrait of a woman and a man seated side by side, both dressed in formal 19th-century attire, in an oval frame with a worn border.

ビショップ夫妻 1850年頃
Bishop Museum Archives

Sepia-tone photo of a stone church with a clock tower, people gathered at the entrance, and a horse-drawn carriage in the foreground.

カヴァイアハオ教会 1880年頃
Bishop Museum Archives

慈善活動・教育への貢献

ビショップ氏は、政府官僚やビジネスマンとして働く傍ら、慈善活動を通じて多くの人々を支えていました。彼はハワイ教育委員会の会長を務め、カメハメハスクールの設立に尽力したほか、さまざまな学校や教会、病院の役員も務め、その間も多額の寄付を続けました。彼の関心は、ハワイの農業、歴史、移民、そして社会科学にまで広がっていました。「尽くすこと」「与えること」を信条とした彼は、助けを必要とする人々に常に救いの手を差し伸べることを忘れませんでした。

最後に

ビショップ氏のハワイへの影響力は絶大でした。事業家としての成功に加え、教育の発展や政治活動を通じて、ハワイの人々の明るい未来を築こうと努めました。1894年にカリフォルニアに居を移した後も、1915年に亡くなるまで、バンク・オブ・カリフォルニアの副頭取や各種組織のコンサルタントとして活動する傍らハワイの学校や団体を支援し続けました。今日、ビショップ氏は愛する妻バニース・パウアヒ・ビショップ王女と共にオアフ島のヌウアヌにあるマウナアラ王室霊廟に眠っています。

A bearded man in a top hat stands beside a seated woman in a bonnet and layered dress, both posing for a formal portrait in a studio with a painted outdoor backdrop.
ビショップ夫妻 1875年 Photo by Bradley & Rulofson, Bishop Museum Archives

References

参考文献:

  1. Galuteria, Peter. Heart of a Hero: Charles Reed Bishop. Bishop Museum Press,
    2009.
  2. “Our Founder, Charles Reed Bishop.” Storytelling.Bishopmuseum.Yourcultureconnect.Com,
    storytelling.bishopmuseum.yourcultureconnect.com/e/poe/our-founder-charles-reedbishop. Accessed 19 Nov. 2025.

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