ミュージアムのひととき

第11回 Hulia ʻAno (フリア アノ)

   展示会場のロングギャラリーに入るとコンコンコンコン、と木製の道具を利用してkapaカパ:木の繊維を利用して作られたハワイアンが衣類や寝具として用いていた和紙のような手触りの物)を作っている音やpahuパフ:太鼓)を叩く音が聞こえてきます。昔のハワイの人たちはこのようなkapa pahu など生活に必要な物を全て自然の素材から作っていました。家やカヌーなど大木を利用して作る物からipu イプ:瓢箪)で作られた水筒や器kōkō ココ:植物の繊維で作るコードで編まれたネット)、lau hala ラウ ハラ:パンダナスの葉)で作られた帽子やバスケットそして王族の象徴として鳥の羽根で作られたʻahu ʻulaアフウラ:マント)、lei レイ:首飾り)といった手の込んだ装飾品まで様々な物があります。       

   今回の展示のタイトルHulia ʻAno” hulia フリア)は探索する、調べる、 ʻano アノ)は種類、本質、性質、形、スタイル、イメージといった意味があります。ハワイの人たちが自然と共存する中で自然を深く探求し、その姿かたちや性質を自分たちの生活に必要な物のデザインやパターンに取り入れていたことがよくわかりますHulia ʻAno : Inspired Patterns は植物標本、海洋生物、動物学を含む自然科学から文化的な装飾品や日用品までビショップミュージアムの各セクションで保管されてきた貴重なコレクションアイテムを通してハワイの人々の暮らし、価値観、芸術性を学ぶことができる展示です。

Hulia ʻAno : Inspired Patterns” 開催中のロングギャラリー
Hulia ʻAno : Inspired Patterns” 開催中のロングギャラリー

 Hulia ʻAno : Inspired Patterns ロングギャラリーで20171016日まで開催

   自然素材を活かした形や装飾のデザインとして用いられていた模様にはそれぞれ名前があり、その言葉の持つ意味が説明文に掲載されています。ハワイ語は一語で幾つか異なった意味をもつ単語が多く、形や模様の名前もいろいろな意味があります

Hulia ʻAno : Inspired Patterns” ではハワイアンが生活によく取り入れていた形状またはパターン12種類を選びそれぞれのテーマに沿ったコレクションを各ショーケースに展示しています。今回はその中から数点ご紹介します。

* Hoaka ホアカ1三日月、アーチ形(2)新月から数えて二晩目の月の形の名前(3)輝く、明るい(4)影を落とす(5)口などを開ける(6)霊的なスピリット(7)腹部の病(虫垂炎)と様々な意味があります。

Hoaka のショーケースを見ると、この単語の1の意味である三日月やアーチ形を取り入れている物が展示されています。(写真参照)目を引くのが赤と黄色の組み合わせが鮮やかなʻahu ʻula に施された三日月のデザインです。王族の装飾品である鳥の羽根のマントʻahu ʻulaについてはミュージアムのひととき第8 “Manu で詳しく取り上げていますので御覧下さい。

2の意味のようにhoakaは月の形の名前でもあります。昔のハワイアンは月を観察し、月の満ち欠けは生活規則に大きく関わり大切であったので一ヶ月に三十、毎晩形の変わる月に名前をつけていました。ハワイアンホール2階にあるムーンカレンダーによると「Hoakaの薄い三日月のアーチ型はまるでボウル(器)のようであるけれどもそれは単なる器ではなく、manaマナ:身体的、スピリチュアル的に強い力)を受け入れる器として見られていた」という解説があります。このショーケースに展示されているʻahu ʻulaを身に着けていた王族は天に昇るhoaka の三日月のように大きな器に合う偉大なmanaを持ったチーフであったかもしれません。

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