第16回 私が見て感じたラパ・ヌイ イースター島
ミュージアムのひととき 日本語ホームページに戻る 第16回 私が見て感じたラパ・ヌイ イースター島 ハワイの伝統航海カヌーHōkūleʻaのデッキの上で私達は夜が明けてからずっと海と空を見ていた。ガラパゴスを出航してからもう2週間を過ぎている。クルー全員でHōkūleʻaを360度囲む水平線を目でなぞり、雲の形や色、鳥達の動きを観察し、自然からのサインを読み取ろうと集中していた。私達は4人の若いナビゲーター達の導きにより水平線の向こうにあるはずの、まだ見えぬ島ラパ・ヌイ(イースター島)を水平線から吊り上げようとしていた。(ポリネシアの伝統航海では島を見つけるとき英語で ”Pull the island” 「島を吊り上げる」という独特な表現をする) 19年前のHōkūleʻaの航海でラパ・ヌイを最初に見つけたミクロネシア出身のベテランクルー、マックスからラパ・ヌイがどういうふうに水平線から見えたのかは聞いていた。オレンジがかった厚い雲の下に小さなオピヒ(円錐形の、岩に密着して生息するハワイ固有種の貝)のような島が見えたのだという。 水平線を見つめる若いナビゲーター達 ミュージアムのひととき 第1回 人類学部 篠遠喜彦博士 [プロフィール]第2回 古文書館 館長 デソト・ブラウン第3回 Makahiki (マカヒキ)第4回 Kumulipo (クムリポ)第5回